日本シェーグレン病学会

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故 斎藤一郎先生の顕彰を掲載いたしました。

[2026年02月09日]

故斎藤一郎先生の顕彰

斎藤一郎先生を偲んで
斎藤一郎先生のご逝去に接し、深い哀惜の念を禁じ得ません。先生は、日本におけるシェーグレン症候群研究の黎明期から中心的役割を担われ、基礎と臨床を結ぶ研究を力強く牽引されました。
私が斎藤先生と初めてお会いしたのは1989年です。当時、ドライアイ研究についてご相談した際、「原因の本質を解明する研究をすべきだ」と率直に示してくださった言葉は、その後の私の研究人生の指針となりました。以来、長年にわたり共同研究をご一緒し、多くの論文を発表できたことは、研究者としてこの上ない喜びでした。
斎藤先生は、ドライマウス研究会、そして故菅井進先生のご指導のもとに私どもと共にシェーグレン症候群研究会を立ち上げ、涙腺・唾液腺研究を通じて本疾患の理解を大きく前進させました。2016年には「ドライシンドローム」という新たな概念を提唱され、その成果は今日の診療・研究にも確かな影響を与えています。
また先生は、多くの後進を温かく、時に厳しく導かれ、日本の膠原病・眼科領域に数多くの人材を残されました。私自身もその一人であり、斎藤先生から受けたご指導と友情に、心から感謝しています。
斎藤一郎先生のご功績とお人柄は、今後も日本シェーグレン病学会の歩みとともに生き続けることでしょう。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
坪田一男

日本シェーグレン病学会は、斎藤一郎先生のこれまでの功績を称え、「名誉顧問」の称号を贈り、学会ホームページ上において顕彰いたします。
2026年2月 

日本シェーグレン病学会
理事長 中村英樹

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故 斎藤 一郎(さいとう いちろう)斎藤一郎

 

日本シェーグレン病学会 名誉顧問

 

経歴

1954年東京生まれ。日本大学歯学部、米国スクリプス研究所、東京医科歯科大学難治疾患研究所、徳島大学歯学部を経て、2002年より鶴見大学歯学部教授。2002年に鶴見大学歯学部附属病院にドライマウス外来を開設し、2008年より4年間、病院長を務めた。
2022年3月の大学定年退職と同時に、株式会社クレインサイエンス代表取締役に就任。口腔を取り巻く課題と向き合い、研究開発事業や再生医療の推進・支援事業に取り組んだ。
2025年6月逝去。

専門は自己免疫疾患ならびに唾液腺の機能や再生機構の解明。口腔乾燥症(ドライマウス)を呈するシェーグレン症候群の研究に長年従事した。

大学での教育研究と同時に、2003年より医師・歯科医療従事者による「ドライマウス研究会」と、ドライマウス症状に苦しむ方々の為の「ドライマウス患者友の会」を主宰。ドライマウスの知識を持った医療従事者の輩出と、患者の方の支援活動に尽力した。
 

業績

https://cranescience.co.jp/originalpaper/

主な役職

日本病理学会評議員、日本臨床口腔病理学会理事、日本抗加齢医学会理事(副理事長:2013年から4年間)、日本シェーグレン症候群学会顧問
 

主な受賞歴

1994年 日本リウマチ財団 奨励賞

2002年 歯科基礎医学会 ライオン学術賞

2003年 日本病理学会 学術研究賞(A演説)

2011年 第3回日本シェーグレン症候群学会賞

2020年 日本病理学会 日本病理学賞(宿題報告)

2023年 第15回日本シェーグレン症候群学会功労賞